作ったベーコンやスモークチキンを分けて保存するなら、真空パックは空気との接触を減らすのに役立ちます。ただし、袋の空気を抜いても殺菌にはなりません。家庭の燻製は冷蔵・冷凍で管理し、すぐ食べる予定のない分は、冷却したあと小分けして冷凍しましょう。
このページの対象:中心まで加熱した家庭の燻製を保存する方法です。生食用の魚や冷燻品を長期熟成する手順ではありません。煙をかけたこと、中心まで加熱できたこと、保存中の安全性は別々に確認します。
「真空なら常温で置ける」「温燻なら一律に何日もつ」とは判断できません。市販品は包装に書かれた保存方法・期限・加熱の必要性を優先してください。
真空包装は酸化や乾燥を抑えるための方法で、冷蔵庫・冷凍庫の代わりにはなりません。FoodSaverのVS3193取扱説明書(PDF、13〜14頁)にも、真空保存に殺菌作用はなく、低温管理が必要と説明されています。
空気が少ない袋でも増殖できる菌があります。厚生労働省の真空パック詰食品のボツリヌス食中毒対策は、密封食品の常温放置に注意を促しています。家庭で燻煙・包装しただけの食品を、加圧加熱殺菌されたレトルト食品と同じようには扱えません。
塩を多めにした、表面が乾いた、煙の香りが強い、といった見た目や味でも保存期限は決まりません。仕込みから食べるまでの衛生管理は燻製と食中毒予防で確認できます。
家庭の燻製は、材料の鮮度、中心加熱、調理後の扱い、庫内温度が毎回違います。そのため、「真空にしたから冷蔵で○日」と一律には判断できません。市販ベーコンの未開封期限や、業務用製品の保存期間も自作品には当てはまりません。
| 状況 | 選ぶ方法 | 実行すること |
|---|---|---|
| 次の食事で使う予定がある | 冷蔵し、早めに使い切る | 必要量だけ1袋にする。残りを何度も開封する大袋は避ける。 |
| 食べる日が決まっていない・多めに作った | 冷却後、早い段階で小分け冷凍 | 冷蔵で何日か置いてから救済するのではなく、作った日のうちに分ける計画にする。 |
| 購入した未開封の燻製 | 製品の表示に従う | 要冷蔵・要冷凍、開封後の案内を確認。再包装しても元の期限を延ばさない。 |
| 長く常温に置いた・保管状況が不明 | 食べずに廃棄する | 真空包装、冷凍、再加熱で安全な状態に戻せると考えない。 |
農林水産省の冷蔵庫の使い方では、庫内温度の目安を冷蔵4℃前後・冷凍室−18℃以下としています。温度計と冷蔵庫の説明書で保存場所を確認してください。この温度でも長期保存の安全性を保証するものではなく、冷蔵品はなるべく早く食べます。
袋に空気が戻ったときは、シール不良や穴がないか点検します。正常な温度管理と包装直後の不具合だと確認できる場合だけ、対応する新しい袋で包み直します。いつから密封できていなかったか、温度管理がどうだったか不明なら、再包装して保存を続けません。
包装材を選ぶ場合は、FoodSaver純正ロール20cmの対応本体・袋幅・本数も確認してください。同じ幅でも他社機に使えるとは限らず、袋口の余白と食材の厚みも必要です。
| 食材 | 小分けの例 | 注意する点 |
|---|---|---|
| ベーコン | 朝食分・料理に使う分を別の袋に | 脂を袋口に付けない。冷凍分は必要な量だけ取り出せる形にする。 |
| スモークチキン | 1食で使う量ごとに、重ねすぎず包装 | 中心加熱を確認してから冷却。生の肉を扱った包丁やまな板を、そのまま使わない。 |
| スモークチーズ | 食べる量を作り、冷蔵で早めに食べる | すべてのチーズが真空保存に向くわけではない。VS3193はソフトチーズの真空保存を禁止しているため、材料の種類と機種の説明書を確認する。 |
| 燻製卵 | 食べ切れる数だけ作り、清潔な容器で冷蔵 | 真空にして長期保存する目的で作り置きしない。殻をむいた後の扱い・加熱は卵の記事を確認する。 |
ナッツの燻製は割れやすいため、無理な脱気は避けます。肉・魚の保存条件を乾いたナッツへ一律に当てはめず、材料の表示と加えた調味料に応じて扱ってください。水分の多い生鮮食品と同じ袋に混ぜないようにします。
必要な1袋だけ取り出し、冷蔵庫で解凍するか、対応する容器に移して電子レンジの解凍機能を使います。家庭で作った肉の燻製を、台所や屋外に置いて自然解凍しません。冷蔵庫内でも生の肉や魚の汁が付かないよう、トレーなどで分けて置きます。
肉の燻製を食べるときは、表面を軽く温めるだけで終えず、中心まで十分に再加熱します。厚生労働省が残った食品の温め直しに示す目安は75℃以上です。電子レンジでは厚みや配置による加熱むらも確認します。傷みや温度管理の不安がある食品を、加熱して食べ直すための目安ではありません。
どの真空袋でも、そのまま湯せん・電子レンジに入れられるわけではありません。使用するバッグの加熱可否、耐熱温度、開封方法を確認してください。VS3193の説明書(17〜18頁)は、油分の多い肉料理をレンジで温めるときに袋から取り出すよう案内しています。迷う場合は袋から出し、調理方法に対応した耐熱容器を使います。
真空パックが膨らんでいる、異臭がある、カビやぬめりがある場合は食べません。農林水産省のボツリヌス菌の案内も、膨張したパックや異臭のある食品を食べないよう注意しています。
一方、見た目やにおいに異常がないことだけでは、安全かどうかは分かりません。長く常温に置いたもの、作った日や低温で保管できたか分からないものも、味見をせず廃棄します。冷凍は傷んだ食品を元に戻す方法ではありません。
次の仕込みでは、ピチットによる燻製前の脱水やチップのブレンドによる香り付けを調理の工夫として選べます。どちらも、中心加熱や冷蔵・冷凍を省く理由にはなりません。