燻製(くんせい:SMOKE)とは、もともと塩漬けにした肉や魚などに煙をかけることで、長期間の保存を可能にする保存食です。
ただ、冷蔵技術の発達した近年では、燻製は保存食としてよりも、風味付けとしてより豊かな味わいを楽しむと言うものにかわってきました。
燻製をする際の煙により含まれている「カルボニル化合物」「フェノール化合物」「有機酸」などの働きにより色・風味・殺菌などが行われ、食材をそのまま、または焼いて食べるよりもより豊かな風合いをもたらしてくれます。
燻製のメカニズムは他の保存食と類似します。食品の保存性を高めるには、「塩漬けにする(水分を抜く)」「乾燥させる」などがあります。たとえば、お漬物は高濃度の塩に漬けることで保存性が増しています。
また、魚の干物は乾燥させることで保存性を高めています。
燻製と言う方法は、煙によって「いぶす」ことによって、煙に含まれている有効成分によって殺菌・酸化防止などの効果が現れます。
もちろん、燻製は保存食として生まれていますが、現代の燻製においてもっと大切なことがあります。それは「おいしさ」です。
冷蔵庫などの冷蔵技術の発達した現在ではいつでも新鮮なお肉やお魚を食べることができるので保存性というものは実はそこまで大切ではありません。むしろ、燻製(スモーク)を通じて素材をよりおいしくするということにこそ今はメリットがあると考えています。
燻製では、その工程において「塩漬け」「乾燥」「燻煙」などの工程がありますが、塩漬けによる肉の熟成やハーブ・スパイス類を使った味の奥深さや燻製の煙に含まれている香り成分などが素材をもっとよりおいしくしてくれるのです。